パチンコ屋ののぼり 2

この幟。

知人(デザイナー)の話によると化粧品会社が商品宣伝用に使い出したのがはじまりで、新製品が発表されるたびに、全国各地の小売屋さんの店先にカラフルな幟がひるがえったという。

言われてみると、確かに新製品や新業種の店の宣伝にモダンな幟が立っているようです。

もうひとつは店の大売出しに見られるような、短期間だけ立てるのもあります。

これは昔の市や縁日、お祭をおもわせる風情があり、通行人をわくわくさせます。

これを日常的にしたのがパチンコ屋で、「新装開店!出玉日本一」なんて幟が1年中立ってたりしますよね。

さて、この幟を立てる棹を地面に突き刺したり、コンクリートの台座をつけたりしていますが、風などで倒れやすいですね。

そこで、建物の壁や柵、街路灯、電柱、交通標識などに立てかけたりして安定を保っています。

この立てかけ拝借型は独立型より数の上で多く、流行まもないモダン調、まだまだ立てる工夫、設備が不十分と思いました。』


パチンコ屋ののぼり

「街の考現学モダン幟」という題で、昭和60年9月15日付『東京新聞』に次のようなのぼりの採集記(文と写真/岡本信也☆採集図/岡本靖子)が出ていました。

文中の(図1)とか(図9)とかは、名古屋市内、およびその周辺で(昭和60年8月)採集した図の番号で、図は色刷りで出ていました。

『神社などに行くと境内に幟が立っていますが(図1)、さいきんこれと似たものが街にはんらんしています。

とくに商店街や車の往来がはげしい幹線道路沿いに、たくさん並んでいます。

いずれも店の看板や商品の宣伝に使われている商業用の幟です。

なかでもガソリンスタンドとか、パチンコ屋の店先では1カ所に10~20本の幟が林立し、ハデハデしく風の中にひるがえっています。

nobori.jpg

パチンコ50年の作家と教授 2

『加藤氏 相当やりましたな。(笑)

吉行氏 そりゃ・・・。

なにしろ大した収入はないし、パチンコが入らなかったら、タバコがとれないわけで一日喫えなくなっちゃう。

そうなると、必死にならざるを得ないわけですよ。

大人の遊戯ともなると、タマが入る快感だけじゃない。

そういえば、いまでもタマはぜんぶタバコに替えています。

加藤氏 私もだいたいそうですね。

ただ何千個もでたときはビデオカセットとか単行本とか。(以下略)』

・・・というやりとりとなりますが、このやりとりはパチンコの"セミプロ"というものの線、といったものを示しているように思えます。

というのは、パチンコをやれば、まず間違いなくタバコをせしめる、ということをこのやりとりは示しているからでパチンコの"セミプロ"というのは、まず間違いなくタバコをせしめる、ことができる人を指す、というのが大方の意見だからです。

それがこの"パチンコ体験50年"のお二人は可能なのですから、対談の題に"セミプロ"と謳っているのでしょう。

吉行氏は、『週刊文春』(昭和61年2月2日・9日合併号)の「語りおろし連載 第22回 行くカネ来るカネ私の体を通り過ぎたおカネ 吉行淳之介」の中でも『セミプロ級のパチンコで、長年タバコ代は不要』と"筆者のプロフィール"の一部にもあります。

立派なパチンコの"セミプロ"となっていたんですね。

パチンコ50年の作家と教授

「パチンコ体験50年 セミプロの誇り」という題で、作家吉行淳之介氏と放送大学教授・加藤秀俊氏の対談が、『オール読物 創刊55周年記念増刊 ビッグトーク』(昭和60年12月10日 株式会社文芸春秋発行)に載っています。

その中で・・・

パチンコの玉は現在4円だが、35年間で2倍にしかなっていない。

初任給は現在15万円くらいだから、昭和25年頃4000円として約40倍。

こういうことから「当時はいまの感覚でいえば1個80円くらいの玉をはじいていたことになる」

と吉行氏がいうと、加藤氏が

「だから、玉をはじくにも職人芸的なところがありましたね」といい、これをうけて吉行氏が「タマにカーブをつけたりね・・・」と極意を披露。

パチンコ名人のプリマ・ドンナ 2

チン、ジャラジャラ。

銀座のパチンコ屋に彼女がよく姿を現わし、アユのような指でハンドルをはじく。

好きこそものの上手なれで彼女の腕は大したものだ。

夫の鈴木勇次とちょうどいいライバルである。

舞台でソプラノを唄うときのように、大きなロをポカンと開けて、無我の境をさまようパチンコ台の前の彼女を見ると、ファンならでも、何か親しい気持ちになる・・・

と、さるパチンコ狂がいっている。

オペラのプリマ・ドンナとパチンコ・・・。

大体、競馬競輪にしろ、パチンコにしろ、すべて賭けごとをする手合いは、程度の差こそあれ、良く云えばイチかバチかの大望を抱くロマンチストが多いものだが、長門美保もこの例に洩れず、大きな夢に生きている女性だ。(以下略)』

パチンコ名人のプリマ・ドンナ

パチンコとオペラ歌手について、『風俗科学 第3巻第2号』(昭和30年2月24日第三文庫発行)に、「現代に君臨する五人のおんな天皇」(北里和夫)と題する文中で、長門美保さんについて書いています。

『終戦後、長門美保の演じた「マダム・バタフライ」の受け方は大したものだった。

戦争中の長い空白時代のあとを受けながら、オペラがいまほど大衆に浸透したことには、彼女の力が与って大きい。

オペラ界のことを筆にするには、大御所藤原義江にふれないことには叱られるというものだ。

もちろん、藤原歌劇団のオペラ界にもっている実力には及ばない。

だが、女性の主宰する歌劇団は、日本でははじめてのことであり、世界でも余り類例がない。

それだけに、彼女の持つスケールは、雄大さを失わないのである。

パチンコを愛した芥川賞作家

昭和29年7月3日付『朝日新聞』の「きのうきょう」で、門田勲氏が「日本の音」の中で次のように書いています。

『文壇のパチンコ・ファンに中山義秀さんがある。

夜、寝床で目をつむると、頭の中でパチンコのタマが、果てしもなくつぎつぎと穴へ入っていくそうな。

「ゴルフのタマなら景気がいいが、パチンコのタマが穴へ入っていくのではネ」と、お酒のコップを上げて義秀さんが笑った』

(注・中山義秀氏は「厚物咲」で昭和13年上半期第7回芥川賞)

文学賞作家といえば、昭和32年の第10回講談倶楽部賞(短編時代小説「雑兵」)を受けて以来、九州・福岡に住んで創作を続けている白石一郎氏は直木賞候補に7回も挙げられた作家です。

「パチンコ歴20年を自認する時代小説作家・白石一郎さん(41)=福岡市東区香椎団地」として昭和47年11月15日付『毎日新聞』に次のような記事が出ています。

『米や国鉄運賃などの生活必需品と違い、パチンコ料金の値上げは一向にかまわない。

勝負ごとだから値上げした方がファイトがわく。

100円で35個だろうが、50個だろうが打ち込むときは何100円でも打ち込むのだし、最後は勝つか負けるかだけ。

クギを開けるなんて、どうでもいいことじゃないか』

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